哲学者アランと僕と、妻の幸福論
フランスの哲学者にアランという人がいます。
彼の有名な著書に「幸福論」があります。
多くの哲学者は哲学の大きな目的である「人がいかにして幸せになるか」ということについて常に考え、時には難しい概念や理屈を使って自身の思想を表現したりするのですが、アランが唱える「幸福論」は今の僕たちにもとても分かりやすく、そして幸せに生きることに誰よりもこだわった哲学者だと思います。
アランが言うには、機嫌よくいることは義務であるということ、機嫌を支配するのは精神よりはむしろ身体であってそのためには健康であることを心がける必要があるということだそうです。
この内容を本で目にしたとき、すぐに妻の顔が思い浮かびました。なぜなら、妻がいつも言っていることに似ていると思ったからです。
僕の妻は「ごきげんであることが大事」と誰よりも強く考えています。
他人の機嫌ばかりとるのではなく、もっと自分の機嫌をとってあげる。職場、家庭において、他人の顔色ばかり気にしてストレスをためてしまうのではなく、まずは自分の素直な気持ちを優先してあげたらいい。
特に女性の場合は、からだの調子が精神面に大きく影響することがあるため、日々の食事でからだの調子を整えてあげることが重要だと。心や体や季節の変化に合わせて、その時々に必要なものを摂取したり、逆に摂りすぎないよう控えたりする。これはまさしく薬膳の考え方なのですが、僕はあまり薬膳に詳しくないのでここでは詳しく書きません。簡単に言うと、旬の食材を取り入れながらバランスのいい食事を心がけることだそうです。
そうやって自分のからだを毎日ケアすることで、精神的にバランスのとれた状態になり、毎日ごきげんに過ごすことができる。そして、自分が機嫌よく過ごすことで、周りの人も幸せにすることができると妻は考えています。
以前、
「なんで僕たちは夫婦仲がいいのか」と自問自答したことがあるのですが、(笑)
「自分のことを大事にしているから」という結論に至りました。
自分のからだの調子を整えることで、身の回りの世界がとても美しく感じるようになり、そうすると自然に相手に対する愛情や思いやりが湧き出てくる気がします。
アランが夫婦仲まで言及したかどうかは知りませんが、少なくとも僕たちの日常生活の中にある大事なことを考えるヒントを与えてくれる哲学者だと思います。
このことを妻に知らせると、嬉しそうにして
「もしかすると私はアランの生まれ変わりかも」
と自分で言うくらい、とても喜んでました。笑
僕の読書もたまには人を幸せにします。
いつか、アランのように世界中の人々を幸せにするような女性になって欲しいと思います。