無添加は愛情のしるし
スーパーに買い物に行くとよく目にする光景があります。
それは、商品を手に取って裏返して何かを確認している主婦と、その隣で退屈そうにカートの持ち手に肘をついている夫の姿。
僕と妻の買い物もそのように見えていたのかもしれません。商品を選ぶ妻の隣で僕は「早く決めてほしいなあ」と思っていました。
けれども最近は少し違います。
僕は、妻の真似をして商品を手に取って裏返してそこに書かれている文字を見ます。それは、賞味期限のチェックするためでもありますが、もっと大事なことは
「何が入っているか」を確認するためです。
結婚する前は食べ物に無頓着だった僕ですが、妻の影響を受けて食べ物に興味を持つようになってきました。
「食べ物がからだを作る」
妻がいつも言っていることです。
医食同源を基本的な考え方とする薬膳や中医学の勉強をした妻の影響を受けて、僕も毎日の食事の大切さを感じるようになりました。
食べ物がその人のからだを作っているのなら、当時学生だった僕はインスタント食品や菓子パンでできていたのかと思うと、そんな僕と付き合ってくれていた彼女の懐の深さに感謝です。
成分表を見るようになってからの率直な感想は「いろいろな物が入っているんだなあ」ということです。けれどそれは「僕が」手に取る商品です。
妻が手に取る商品の成分表にはあまり多くの文字は書かれていません。
例えば、醤油などの調味料を選ぶときでも、僕が手に取る安価なものにはグルタミン酸ナトリウムや脱脂加工大豆やブドウ糖果糖液などいろいろな記載がされているのですが、妻が手に取るものは「大豆、小麦、食塩」しか書かれていません。
結婚当初はなぜ妻は数ある商品の中であえて高いものを選ぶのか、不思議に思っていました。
でも今ではその理由が分かります。妻は、できるだけ添加物の入っていないものを選んで料理して僕に食べさせてくれているんだと思います。
確かに保存料や旨味調味料が入った食べ物はおいしくて便利です。いつでもどこでもおいしく食べることを可能にした技術の進歩や企業努力は素晴らしいと思います。忙しいときはインスタント食品などをうまく利用したらいいと思います。
でも妻は、効率性とか利便性とかそんなことよりも、僕のからだのことをいちばんに考えてくれていて、できるだけ添加物の入っていないものを選んでくれます。
日本の伝統的な方法で丁寧につくられた調味料や、愛情を込めてつくられた野菜、それらをスーパーで選んで料理に使う過程でその愛情が増幅して、最後は僕のからだの中に入っていく。
そう考えると飲み会で暴飲暴食したり、お菓子を食べたいという気持ちはなくなり、丁寧に暮らすことに喜びを感じるようになってきます。
健康で機嫌よく毎日を過ごすことが、愛情を確かに受け取ったことのサインになる。
これから寒くなってきますが風邪をひかないように規則正しい生活を心がけようと思います。
褒められなくても
普段あまりテレビを見ない僕がテレビを見るときにまずNHKにチャンネルを合わせるのは、真面目な番組を見て自分が偉くなった気分を味わいたいからではなく、ただ単に受信料のもとをとりたいからだと思います。
けれども、今回のように十分に価値のある情報を仕入れて自分の生活に取り入れることができれば、またしばらくテレビを見ることはなくなります。
この間、妻と一緒にNHKの番組「なぜ戦争はなくならないのか」を見ました。
イスラエル軍の侵略に苦しむパレスチナ自治区の家族の暮らしを取材していました。お父さんを捕まえたイスラエル軍に強い恨みを持つ女の子がナイフひとつでイスラエル軍に向かっていくのですが、銃で打たれて殺されてしまいます。この子はパレスチナに住む人々からは英雄のように称えられているのですが、一方でイスラエル軍の立場からはこの子はテロリストだと見られてしまう。お姉ちゃんをなくした弟はいつか自分がイスラエル軍を殺したいと願い、銃のおもちゃで無邪気に遊んでいる光景がとても悲しく映っていました。
渡辺和子さんの本を読んだときにも感じましたが、肉親を殺された人の気持ちはそれを経験していない人には理解できないくらい辛く痛く強く頭の中を占領しているのだろうと思います。
この類の報道を目にしたときにいつも無力感を感じます。
「今の自分には何もできない」
紛争をなくすために現地で活動している日本人や、紛争の現状を世界に知ってもらうために取材をしているジャーナリストの姿がまぶしく輝いているのに対して、床で寝そべってテレビを見ている自分を情けなく感じます。
けれども、僕の後ろのソファで寝そべっている妻の一言が、僕に希望を与えてくれました。
「あなたは仕事で世界中の人とコミュニケーションとってるじゃない。それが世界平和につながるんじゃない?」
「なるほど、確かにそうかもしれない」
それは正確には仕事ではなく自己研鑽のひとつとしてやっていることですが、少ないながらも確かに世界の人とコミュニケーションをとっていることを僕はすっかり忘れていました。なにもNPOなどの団体に所属して紛争地で活動しなくても、世界中に知り合いをつくり他国を理解することが、僕にできる世界平和への大きな一歩なんだと。(少し大げさかもしれませんが)
誰しもお金にならない仕事を経験したことがあると思います。
「そんなことして組織の成果にどうつながるの?」
「そのアクションを起こして得られる結果の定量性を示してほしい」
とにかく経済優先の世の中ではお金にならないものは一見無意味なものに思われてしまいます。
けれども、たとえ評価されなくても褒められなくても、それがどこかの誰かの役に立っていると感じることができれば、それはお金のための仕事よりもはるかに大きなモチベーションを与えてくれることがあるのです。
妻はいつも大切なことを僕に教えてくれます。
僕が妻に惚れている理由
僕が妻に惚れている理由のひとつは、その感性にあります。
あるとき、僕は妻と一緒にジブリ映画「ハウルの動く城」を見ました。
見終わってから互いに感想を言いました。
僕の感想
「すごいよかった。どんな人にも優しくすることが大事だと思った」
妻の感想
「すごいよかった。これは自己の解放をテーマにしている映画だと思う」
また別のとき、ジェーン・ウェブスターの不朽の名作「あしながおじさん」の本を読んだときの感想。
僕の感想
「よかった。おもしろかった」
妻の感想
「すごいよかった。成長と成熟の違いは愛を知ることだと思った」
僕の感想が小学生レベルなのに対して、妻はいつもオリジナリティの高い興味深い考察をしていて、それに僕は毎回感動させられています。
妻が(僕も)好きな言語学者にソシュールというスイス人がいます。
ソシュールの構造言語学によると、言葉がその人の世界をつくっていて、
海や山や鳥のように物の名前があって初めて人は海や山や鳥を認識できるということ。
逆に言うと物でも感情でも言語によって表現されなければそれはこの世にないのと同然と見なされてしまうため、
「人の思考は言語によって制限される」ということになります。
言葉を増やすことで思考も豊かになる。
妻の感性がとても魅力的なのは子供の頃からたくさん本を読んできたからなのかもしれないと思うと、妻にいっぱい本を与えてくれた妻の両親にもとても感謝してます。
僕のように語彙力に自信がなくても、
できるだけポジティブな言葉を使うようにして、
声に出して妻の才能を褒めること
これが僕にでもできることだと思いました。
星占いを信じるということ
12月生まれの射手座の僕。
昔からテレビの星占いは見ないようにしてました。
なぜかというと、僕が見るときはいつも射手座が下位にランクインしているからです。
「どうせ誰かがサイコロを回して適当に順位を決めてるんだろう」
「占い師に自分の運勢を決められたくない」
自分の人生は自分で選びたいと思い、サザエさんのじゃんけんで自分の運勢を占ってきました。
科学的根拠がないものを拒絶していた僕ですが、
そんな僕を変えてくれたのはやっぱり妻でした。
「この世界には目に見えないけれど大切なものがたくさんある」
「目に見えない大切なものを、ちゃんと大事にしてるエグゼクティブな人たちも多いんだと思うよ」
地球上にある自然や生き物はリズムを持って生きていて、それに合わせて動いていれば宇宙が味方してくれるという。
少しスピリチュアルで現実離れしている感じがしますが、ビジネスでもこの考えは使えるようです。
妻に勧められて僕は新月の日には「なりたい自分や目標」をノートに書き、満月の日には「今の自分の置かれている状況に対する感謝の気持ち」を書くようにしています。
細かいことはよくわかりませんが、星座との関係からどんなタイプの目標が適しているのか、毎月ちがうとのこと。貪欲に仕事の目標を立てるときもあれば、立ち居振る舞いについての「なりたい自分」を考えることもあります。
自分の力で世界をコントロールしようと考えるのではなく、宇宙の営みの中で自分がどう行動しようか考える。
なんだか謙虚な気持ちに満たされて嬉しくなります。
きっと、多くの女性は
幸せに毎日を過ごしたいという思いとか
大切な人を愛する気持ちとか
そういった目に見えない大切なものを大事にしているから
星占いや手相占いが好きなのかもしれないと思いました。
妻に素敵なことを教えてもらいました。
絵の才能
僕の妻は絵の才能があります。
この絵は妻が書いてくれました。
僕と妻です。
散歩してるのかな。
髪型や服装から雰囲気まで、とても忠実に表現できていると思います。
自分の足を棒のように細く書くことまで細心の注意を払っている妻はとてもえらいと思います。
最近読んだウォルト・ディズニーの自伝に
「アニメーターはイマジネーションの世界を創造する」
とのような表現がありました。
ただの紙とペンという無機質なものに命を吹き込み、新たな価値を創造して人を喜ばせる。
絵を描ける人って素敵だなーと思います。
ちなみにこれは僕が書いた絵。
男は絵がへたくそです。
自己紹介をします
はじめまして。
僕は30代男性。
会社勤めのサラリーマンです。
妻と二人暮らし。
趣味は読書と散歩。たまに旅行。
2年ほどジムに通っていましたが、思うように筋肉がついてくれないので、お休みしてます。
今は特に熱中している趣味はなく、妻と一緒にのんびり楽しく毎日を過ごしています。
ここで妻の紹介をします。
薬剤師。
薬膳や中医学のお勉強もしていて、ブログやメルマガで情報発信しています。
健康になりたい女性の悩みを解決する健康相談とかもやってます。
そういった活動をしているためか、出版社に声をかけていただき、現在執筆活動もしています。
いろいろな事にチャレンジする素敵な妻です。
(でもジムは1ヶ月で終わりました)
「好きなことをやって幸せに毎日を過ごしたい」
彼女の想いには、辛いことから逃げたいという弱さではなく、
ストイックに幸せを追いかける強さを感じます。
そんな妻を応援したくてブログを始めました。
これからよろしくお願いします。