妻の才能は母親ゆずりか
妻は、よく読んだ本の内容や勉強したことを僕に話してくれるのですが、それはとても分かりやすくて、面白いです。
どうして多くの女性はあんなに話が上手なのでしょうか。
職場でも女性の会話力や説明能力の高さにはいつも驚いています。女性は言語中枢がある左脳に神経細胞が多いからとか、話すときに左脳と右脳の両方を使っているからとかいろいろ理由はあるらしいのですが、とにかく話すことが好きなのは素敵な才能だと、うらやましく思います。
この間、妻の実家に遊びにいったとき、お母さんが本をいくつか勧めてくれました。図書館で働くお母さんはとても本が好きで、特に小説については森鴎外からヘルマン・ヘッセまでいろいろな作家の小説を読んでいて、とても面白く感想を伝えてくれます。妻の素敵な感性はお母さんからの遺伝と教育によるものなんだと感動しています。
特に感動したことは、ひととおり本の説明をしてくれた後に判明した事実。
「まだ読んでないけどね」
「え!!」
まだ読んでいない本をあたかも読んだかのように説明してくれていたのでした。
妻もたまに読みかけの本なのに全て読み終えたかのように説明してくれるのですが、 この才能は母親ゆずりなんだと分かりました。いや、母親はさらに上をいっていました。
本を最後まで読んだにもかかわらず主人公の名前を忘れてしまう僕とは違い、妻やお母さんはとても細かいところまで登場人物の心情を汲みとり、自分の気持ちとを重ね合わせて興味深い洞察を与えてくれます。
どこまで情報が正確なのか、どこまでが客観的情報でどこからが主観なのか、物事を説明する上でそういったことが大事だと学校で教えられたりますが、結局は「伝えたいという気持ち」がいちばん大事で、それが人を動かす原動力になるんだと思います。
まだ読んでいない本まで説明したくなるくらい、その本を僕に勧めたかったのかと思うと、ぜひ読んでみたくなります。
別のお話。
僕は話をするより聞く方が好きなので、妻の友達が家に遊びにきたとき、聞き手として気配を消して女子会に参加しています。笑
内容は仕事や恋愛の悩みがほとんどなのですが、やっぱりみんな話が上手。
はじめに結論を述べたり、今の状況から過去にさかのぼって説明するのではなく、事の発端からそのときに感じていた心境を細部まで表現しながら話を綴っていきます。
たとえ愚痴であろうと、どんな内容であれ話を聞いていると、こちらは小説を読んでいるような気持ちになってくるので思わず聞き入ってしまい、終盤には物語の主人公を応援したい気持ちになってきいます。
分かりやすく端的に説明することがビジネスでは重要視されますが、最終的には人の心を動かすにはストーリーも大事だということを教えてくれます。
女性の話には学ぶところがたくさんあります。